円錐にひもをかけて最短距離を求める問題の解き方

円錐にかけたひもの最短距離を求める問題

ズーミングの教材を開発している尾間です。
中学校の数学でよくある問題、「円錐にかけたひもの長さの最短距離を求める問題」の解き方を解説します。
一体なぜ丸っこい形をした円錐にわざわざ面倒をしてひもをピッタリとくっつけるようなことをしているのかという、問題の設定自体にモヤモヤしますが。そこには目をつむって数学の問題としての解き方にしぼって説明をしていきます。

ちなみに「ひもの長さ」の問題を出すことで出題者は「空間図形の問題を平面におきかえて、計算できる」という数学的な実力をはかろうとしています。数学的な思考力と言っても高校入試レベルの試験では小学校・中学校で学んだ知識をきちんと使えば正解が出るものばかり、解き方のパターンをつかんでしまえば怖くありません。苦手な人はこの解説で正しい解き方を理解して問題演習に取り組んでみましょう。

ひもの最短距離の問題は、図形が円錐であっても直方体や立方体であっても、考え方は同じです。直方体にかけたひもの長さを求める問題の解き方については、こちらの解説を参考にしてください。
→立体にかけたひもの長さを求める問題の解き方

【例題】円錐にかけたひもの長さを求める問題

ここでは例題を見ながらひもの最短距離を求める問題の解き方のポイントを解説したいと思います。例題は次の通りです。
図のように底面の半径1cm, 母線の長さが3cmの円錐がある。底面上の点Pから円錐の側面を1周して点Pまでひもをかける。最も短くなるときのひもの長さを求めなさい。

まず円錐の展開図をかく

問題文を読んだら、まずは円錐の展開図をかきます。円錐の展開図は底面の円と、側面の部分に当たるおうぎ形ですね。円とおうぎ形が接している図形が、円錐の展開図です。展開図をかいたら、おうぎ形の部分に注目しましょう。この展開図上で点Pを通るひもの最短距離は赤色で示した直線になります。

ひもの最短距離は2つの点を結ぶ直線の長さと等しい

このように平面の展開図で考えると、2つの点を結んだ直線が最短距離になるということは、当たり前に分かります。立体のままではイメージしにくかったことを平面の展開図におきかえて考えることで、とてもシンプルな問題として考えることができるようになります。この「立体から平面に視点を切り替えて考える」ということこそが、ひもの最短距離の問題で確実に点を取るためのポイントです。

おうぎ形の場合、両端の直線は円の半径で同じなので、赤い直線と結んだら二等辺三角形になります。さらに二等辺三角形には、頂角から引いた垂線が底辺を二等分するという性質があるので、2つの合同な直角三角形がかくれていることに気づくことができます。その次はおうぎ形の中心角に注目します。おうぎ形の中心角の値は、次の公式で求めることができますね。

別の方法では、おうぎ形の弧の長さを計算してから、おうぎ形がふくまれている円の円周を求めると「円周とおうぎ形の弧の長さの比」がわかるので、360°をその比でわれば中心角が出てくるのですが、計算がめんどくさいし途中でミスをしそうです。公式で一発で求めたほうが楽ですね。

この例題の場合、中心角=120°です。頂角から引いた垂線は中心角をちょうど二等分するので、直角三角形は3つの角が30°、60°、90°になります。このとき、辺の比は1:√3:2です。斜辺が3cmなので、赤色の直線のちょうど半分の長さが 2/3√3 cmとなり、赤い直線全体の長さは3√3cmとなります。

おうぎ形の中心角の値はパターンが決まっている

ひもの長さを求める問題では、円錐の側面部分の展開図であるおうぎ形の中心角の角度の値はほぼ決まっています。それは60°、90°、120°、180°の4通りです。そうしないと中学の数学で学習する三平方の定理や、特殊な直角三角形の辺の比をつかってひもの長さを計算できないからですね。60°、120°の場合は3つの角が30°、60°、90°の直角三角形ができるので3辺の比をつかって計算ができます。90°の場合は直角二等辺三角形がつくれるので、これも3辺の比の値に着目して計算できますよ。

円錐にかけたひもの最短距離を求めるときのポイント

最後の細かい計算の説明は省略したのですが、円錐にかけたひもの最短距離の求め方について全体的なイメージを理解できたでしょうか?
もう一度ポイントを整理すると、こんな感じになります。

・円錐の展開図を描く
・展開図のおうぎ形の上で2つの点を結ぶ直線をひく
・おうぎ形の中心角を求める
・展開図の上に直角三角形をかく
・三平方の定理や特殊な直角三角形の辺の比を利用して長さを求める

ひもの最短距離の問題は、図形が円錐であっても直方体や立方体であっても、考え方は同じです。直方体にかけたひもの長さを求める問題の解き方については、こちらの解説を参考にしてください。→立体にかけたひもの長さを求める問題の解き方